※このRFC1855の日本語訳は訳者が個人の責任で翻訳したものである。文中〔〕【】 の部分は訳者が補った注記。日本語訳 高橋邦夫 1996年2月2日 ネットワーク・ワーキング・グループ RFC(Request For Comments)文書番号: 1855 FYI(For Your Information)文書番号: 28 分類: Informational サリー・ハンブリッジ著(インテル社) 1995年10月 高橋 邦夫訳(東金女子高等学校)1996年2月2日 ネチケットガイドライン このメモの状態 このメモは、インターネットコミュニティのために情報を提供するものである。この メモは、いかなる種類のインターネット標準をも規定するものではない。このメモの 配布は制限しない。 概要 この文書は、各組織が採用し自身の利用のために適合化できるネットワーク・エチケ ット(ネチケット)ガイドラインの最小限の組み合わせを提供するものである。その ため、適合化がしやすいように、そして特定の項目を(できるだけ)簡単に見つけら れるようにわざと箇条書きに記述してある。また、個々の利用者および管理者のため のガイドラインの最小限の組み合わせとしての役目もする。このメモは、インターネ ット技術特別調査委員会(IETF)のネットワーク責任利用作業部会(RUN; Responsible Use of Network Working Group)の成果著作物である。 目次 1.0 はじめに Introduction 2.0 1対1の通信 One-to-One Communication 3.0 1対多の通信 One-to-Many Communication 4.0 情報サービス Information Services 5.0 推奨文献目録 Selected Bibliography 6.0 セキュリティの考慮 Security Considerations 7.0 著者のアドレス Author's Address 8.0 日本語版について 1.0 はじめに かつて、インターネット社会の住民は、インターネットで「育ち」、技術的に注意さ れて、その情報転送やプロトコルの性質を理解した。今日、インターネット利用者の 共同社会には初めてその環境を体験する人々が含まれている。これらの「新参者 (Newbies)」は、その文化に慣れておらず、情報転送やプロトコルについて知る必 要を感じていない。これらの新しいユーザを早くインターネット文化に導き入れるた めに、このガイドは、各組織と個人が自分自身の使用のために採用し、適合化できる 最小限の組み合わせを提示する。インターネット・アクセスを提供しているのが誰か (インターネット・サービス・プロバイダの個人アカウントなのか、大学の学生用ア カウントなのか、勤務先の発行したアカウントなのか)に関わらず、各個人は、その 組織の持つ、メールとファイルの所有権および適切な投稿・送信のしかた、自分自身 を表現するためのやり方についての規則を知っていなければならない。各組織固有の ガイドラインについては、それぞれの管理者に必ず確認すること。 我々は、この文書を3つの部分にまとめた: メールとトークを含む1対1の通信; メーリングリストとネットニュースを含む1対多の通信; FTP、WWW、Wais、Gopher、MUDとMOOを含む情報サービス の3つである。最後に、我々は参考となる文献選び、目録にまとめた。 2.0 1対1の通信(電子メール、トーク) 我々は、ある個人が別の個人に面と向かって会話するように通信すること、つまり対 話のことを1対1の通信と定義する。人々と付き合うための常識的な礼儀作法は、一 般にどんな場合でも尊重すべきだが、インターネットの場合には、身振りや声の調子 を推測させることしかできないなどの理由から、その重要性が倍増する。電子メール やトーク(会話)を通じたコミュニケーションのネチケットについてもっと知りたい 場合は、推奨文献目録の参考文献[1,23,25,27]を参照すること。 2.1 利用者のガイドライン 2.1.1 電子メールのガイドライン ◇自分がインターネットプロバイダーを通じた個人のインターネットアクセスを持っ ている場合を除き、電子メールの所有権については雇い主に必ず確認しておくこと。 電子メールの所有権についての法律は、場所によって変わる。 ◇自分が暗号化装置(ハードウェアかソフトウェア)を使っている場合を除き、イン ターネット上のメールは安全ではないものと考えておかなければならない。自分が葉 書に書かないようなメッセージ〔クレジットカード番号やパスワードなど他人に知ら れたくない個人情報や非公開情報など〕は決してメールに含めてはいけない。 ◇自分が複製する文書については、その著作権を考慮に入れること。ほとんどすべて の国では著作権法が制定されている。 ◇自分が受け取ったメッセージを他人に転送したり、再投稿する場合には、元の言葉 遣いを変えてはいけない。自分宛の個人的なメッセージを、あるグループに再投稿す る場合には、あらかじめ発信者に再投稿の許可を求めておかなければならない。メッ セージを短縮したり、関連する部分だけ引用しても構わないが、適切な出典〔もとの メッセージや発言者が特定できるような情報〕を必ず示すこと。 ◇電子メールでは、絶対にチェーン・レターを送ってはいけない。チェーン・レター はインターネットで禁止されている。自分のネットワーク利用権は無効にされるだろ う。もし自分がチェーン・レターを受け取ったならば、所属組織のシステム管理者に 連絡すること。〔チェーン・レター(チェーン・メール)とは、幸福の手紙(不幸の 手紙)のように別の人に同じ内容を転送することを要請する内容の手紙のこと。理由 の如何を問わず禁止されている。〕 ◇よい経験則:送信する内容には慎重さを、受信する内容には寛大さを心がけること。 たとえ挑発されても、激情的なメッセージ(これを「フレーム(flames;炎)」と呼 ぶ)を送ってはいけない。一方、もし自分が火あぶりにあって〔非難されて〕も、驚 いてはいけないし、フレーム・メッセージに対しては応答しないのが賢明なやり方で ある。 ◇一般に、メッセージに応答する前に、自分宛に届いた全部のメールについて、最低 限サブジェクト(題名)だけでも点検しておくことは賢明である。時々、助け(また は確認)を求めて質問した人が、「気にしないで欲しい」という内容の別のメールを 送ってくることがある。また、自分が応答しようとするメッセージが確実に自分に向 けられたものであることを確かめること。自分が、主要な受け取り人ではなく、cc: されただけである場合もある。〔cc:は、同じ内容のメールを(参考のために)別の 人に転送することを指定するための電子メールのヘッダ〕 ◇受け取る相手に対する気配りを心がけること。多くのメーラ(電子メールプログラ ム)は、差出人アドレスを含むヘッダ情報をはぎ取ってしまう。自分が誰であるか他 人に確実にわかるようにするために、自分のメッセージの終わりに1行か2行の連絡 先情報を必ず入れること。事前にそのファイルを作っておいてメッセージの最後に付 け加えることもできる(いくつかのメーラは、自動的にやってくれる)。インターネ ット用語では、これは「.sig」とか「署名(シグネチャ)」ファイルとして知られて いる。自分の署名ファイルは、名刺の代わりになる。(また、状況によって複数の署 名を使い分けることもできる。) ◇メールのアドレスを書く時には慎重にすること。個人のアドレスのように見えても、 実はあるグループに送られるというアドレスもある。誰に送ろうとしているのかを知 っておくこと。 ◇返事をするときには、cc:の宛先に気をつけること。メッセージが1対1のやりとり になるときには、他人を巻き込み続けてはいけない。 ◇一般に、インターネットを使うほとんどの人々には、インターネットやその働きに ついての一般的な質問に答えている暇がない。RFCやメーリングリストで名前を見かけ た人に、頼まれてもいないメールを送って情報を求めるようなことをしてはいけない。 ◇自分が交信する相手が住んでいる地域は、世界中に広がっていることを覚えておく こと。至急返事が欲しいメッセージを送る場合、それが相手に届く時には、相手は家 で寝ているかもしれない。メールが届いていない、とか、相手が無視した、と思う前 に、相手の人が目を覚まして会社に行ってコンピュータにログインするために必要な 時間的余裕を与えること。 ◇長い論説や個人的な論述を出す前には、全文章〔と宛先〕を点検すること。また、 サブジェクト・ヘッダに「Long(長文)」という言葉を含めておくと良いだろう。受 け取り人は、メッセージを読むのに時間がかかることがわかり、対応することができ る。100行を超えるメッセージは「長文」と考えられる。 ◇困ったとき誰に助けを求めれば良いのかを調べておくこと。通常、自分の手の届く 近さに情報資源があるものである。自分の近くにいるソフトウェアやシステムの問題 について手助けできる人に聞くこと。また、自分が何か疑わしいもの、不法なものを 受け取った場合に誰に連絡すれば良いのかを調べておくこと。多くのサイトでは 「Postmaster」という名前で知識のあるユーザにメールが届くように設定されている から、このアドレスにメールを出して助けを求めることができる。 ◇受け取り人は、文化、言語、ユーモアの基準が自分自身とは異なっている人間であ ることを忘れないこと。日付の書式や、計測単位、慣用語は地域によって異なるもの だということを忘れないこと。特に、皮肉〔いやみやあてこすり〕には注意すること。 ◇〔英語の場合〕大文字小文字を混ぜて使うこと。 UPPER CASE LOOKS AS IF YOU'RE SHOUTING.のように大文字だけで書くと、シャウト (大声で叫ぶ)しているように見える。〔本当に必要な時以外にシャウトを使うこと は、読み手にとってとても迷惑なこととされている〕 ◇強調のためにはシンボル記号を使うこと。That *is* what I meant.の*is*のよう なもののことである。下線(アンダーライン)には、アンダースコア記号「_」を使 うこと。_War and Peace_ is my favorite book.のように書く。 ◇声の調子を表わすためにはスマイリー(顔マーク)を使うこと。ただし、控え目に。 「:-)」は、スマイリーの例である(横に見る)。ただし、スマイリーをつけておく ことで、受け取り人が自分の言うことに満足するとか、ほかの侮辱的な言葉を拭い去 る効果があるなどと仮定してはいけない。 ◇メッセージに対して感情的な応答をする時、送信する前に一晩待ってみること。自 分がその問題について本当に強い思いを持つならば、FLAME ON/OFFで囲ってから、そ れを表現すること。次はその例である: FLAME ON: This type of argument is not worth the bandwidth it takes to send it. It's illogical and poorly reasoned. The rest of the world agrees with me. FLAME OFF (和訳) フレーム始め: この種の抗議を送るのは、バンド幅の無駄遣いだ。非論理的で合 理性に乏しい。ほかの人は世界中みんな私の味方だ。 フレーム終わり: ◇MIME形式のものか、メーラがエンコード〔文字コード変換〕するものでない限り、 メッセージの中でコントロール文字や非ASCII形式データを含めてはいけない。エン コードしたメッセージを送る場合は、受け取り人がデコード〔解読〕できることを確 認しておくこと。 〔日本語の場合、半角カナやシフトJISコードの文字がこれに該当する。このほか、 JIS未定義領域文字は機種に依存するので相手の機種(環境)に配慮する必要があ る。〕 ◇そっけなさすぎることがない程度に簡潔な表現を心がけること。メッセージに応答 する時には、理解するために十分なだけのオリジナルの文書を含めておき、それ以上 の部分は省略すること。ある1つのメッセージに返答するだけのために、前のメッセ ージの全文を引用して含めるのは、非常に悪いやり方である:無関係な部分はすべて 削除すること。 ◇1行の長さは、半角65文字未満に制限し、1行の終わりには1つの復帰改行(キャ リッジ・リターン)を入れること。 ◇メールには、メッセージの内容を反映するサブジェクト(題名)ヘッダをつけなけ ればならない。 ◇署名をつける場合、署名は短くしておくこと。経験則では4行以下が良い。多くの 人が、1分毎に接続料金を支払っていることを忘れてはいけない。自分のメッセージ が長ければ長いほど、相手はたくさん支払いをしなければならないのである。 ◇(今日の)メールが私的なものではないかもしれないのと同様、(今日の)メール (とニュース)は偽造をされたり、さまざまな程度の異常探知をごまかす操作を受け るかもしれない。あるメッセージが本物だと思い込む前に、常識の「現実性チェック」 を適用すること。 ◇電子メールメッセージを受け取ったとき、メッセージの重要性から判断してそうす るのが妥当だと思った場合には、直ちに短い返事を送り、送信者に自分が受け取った ことを伝えること。たとえ後でもっと長い返事を書くつもりでいたとしてもである。 ◇電子メールを経由した何かの行為において「合理的に」期待できるものは、相手と 自分との間の関係やその通信の状況に依存する。特別な電子メール環境で身につけた 標準は、インターネットを経由した一般的な電子メール通信には適用できないかもし れない。俗語的表現や内輪の省略語に注意すること。 ◇電子メールメッセージを配達するのにかかるコストは、平均すると、その送り主と その受け取り人(あるいは、彼らの組織)がだいたい等しく負担する。これは、通常 郵便や電話、テレビ、ラジオのような他の媒体とは異なっている。また、誰かにメー ルを送ることで、ネットワークバンド幅やディスク容量、CPU処理量のようなその他 のコストを相手に負担させているかもしれない。これは、頼んでもいない広告電子メ ールが歓迎されない(そして、多くの状況において禁じられている)ことの基本的経 済的な理由である。 ◇自分が送ろうとするメッセージがどれだけ大きいのかを知っておくこと。ポストス クリプトファイルやプログラムなどは、メッセージを非常に大きくし、大きすぎて配 達できなくなったり、あるいは少なくとも過大な資源を消費してしまうことになる。 良い経験則は、50キロバイトよりも大きいファイルを送らないことである。ほかの方 法でファイルを転送するか、より小さい部分に分割して別のメールとして送ることを 考えること。 ◇頼まれてもいない大量の情報を他人に送ってはいけない。 ◇自分が利用しているメールシステムでフォワード(別のアドレスへの転送)が使え るときには、恐ろしいフォワード・ループ(連環)に注意すること。自分宛のメッセ ージが1台のコンピュータから他のコンピュータへ次々と転送されて、無限ループに 陥ってしまうことがないように、数ヵ所のホストにフォワードを設定することは決し てしてはいけない。 2.1.2 トークのガイドライン トーク(talk)は、2人の人がコンピュータを通して会話的な対話を持つことができ る一群のプロトコルである。 ◇手紙をタイプしたりメールを送る時と同じように、大文字小文字を混ぜて、適当な 句読点を使うこと。 ◇行の終わりを越えてしまったり、単にターミナルの自動改行に任せたりしてはいけ ない;行の終わりには、復帰改行(CR)を使うこと。また、自分が使っている画面サ イズが、他の人と同じだと思ってはいけない。良い経験則としては、1行を半角70文 字以内に収め、行数は12行を超えないようにすること(分割画面を使っているからで ある)。 ◇いくらかのマージン(余白)を残すこと;画面の端に書いてはいけない。 ◇自分の発言が終了し、相手が文字入力を開始しても良いという合図に、2回改行 (空白行)を使うこと。 ◇交信を打ち切る前には、常にグッドバイなどの別れの言葉を言い、相手からの別れ の言葉を待ってから切ること。このことは、遠く離れた相手と交信しているときには 特に重要である。自分の交信を実現するためには、双方のバンド幅(通信パイプの太 さ)と伝送時間(光の速度)を要していることを覚えておくこと。 ◇トークが相手に対するある種の妨害活動であることを覚えておくこと。使うのが適 当な時だけに使うこと。そして、赤の他人とは絶対にトークしてはいけない。 ◇返事がない場合、その理由はいくらでも考えられる。何もかもがうまく作動してい ると思ってはいけない。すべてのトーク・プログラム間に互換性があるわけではない。 ◇トークは、そのままにしておくと相手を再呼び出しする。1回か2回は呼び出しさ せてやり、つながらない時には終了させること。 ◇もし相手からの応答がない時には、ほかの端末を試してみても良いだろう。どれが 動いているかを見るにはfingerを使う。それでも相手が応答しない時には送信を続け てはいけない。 ◇トークでは、自分のタイピング能力がわかる。自分のタイプ入力が遅くて、ミスタ イプをした時、多くの場合、修正に時間をかける必要はない。自分が何を言いたいの かは、たいてい相手側でわかるのだから。 ◇複数のトーク交信をしようとするときには、慎重に行うこと! 2.2 管理者のガイドライン ◇種々の状況(特に、違法な通信、不当な通信、偽造通信)を処理するためのガイド ライン(指針)を必ず明文化しておくこと。 ◇利用者からの要望事項は、適時に処理すること。(翌ビジネス日までに) ◇不当なメッセージや違法なメッセージを受け取ったという利用者への対応は早急に 行うこと。チェーン・レターに関する要請があれば、直ちに扱わなければならない。 ◇ディスク割当てのような、システム利用規定を利用者に説明すること。メールでフ ァイルを取り寄せることに伴って、ディスクを満杯にするとか、電話代がかさむとか、 メールの遅配などが起こることを利用者に確実に理解させておくこと。 ◇自分が「Postmaster」として確実にエイリアス(別名)されているようにすること。 自分が「Root」として確実にエイリアス(別名)されているようにすること。これら のアドレスに届いたメールは、確実に誰かが読むようにしておくこと。 ◇自分の利用者に対する苦情が来たら、寛大な心で調査にあたること。アドレスは、 偽造されたりごまかされたりするかもしれないということを覚えておくこと。 3.0 1対多の通信(メーリングリスト、ネットニュース) 自分が1対多の通信をする時には、メールに関するすべてのルールも常に適用しなく てはならない。1対1の通信の場合よりもはるかに多くの人を傷つける可能性がある ことを考慮に入れておけば、結局、一つのメール・メッセージや投稿で多くの人と通 信することと、1人の相手と通信することとはとてもよく似ている。したがって、自 分のメッセージの読者についてできるだけ多くのことを知っておくのは、とても重要 なことである。 3.1 利用者のガイドライン 3.1.1 メーリングリストとネットニュースの一般的なガイドライン ◇自分が何かを投稿する前に、1~2か月の間メーリングリストとニュースグループ の両方を読むこと。これは、自分がそのグループの文化を理解するのに役立つ。 ◇システム利用者の行為に関して、そのシステム管理者を非難してはいけない。 ◇多くの読者が自分の投稿を読むということを考えること。その中には、自分の現在 の、あるいは将来の上司がいるかもしれない。自分が書く内容に注意すること。また、 メーリングリストもニュースグループもしばしばアーカイブになり、自分の言葉が非 常に長い間多くの人々がアクセスできる場所に保管されるかもしれないということを 覚えておくこと。 ◇ある人の発言は、その人の個人的な意見であり、(特に明示していない限り)その 所属組織の見解ではないものと考えること。 ◇メールもニュースもシステム資源を消費するものであることを覚えておくこと。そ の利用について、自分の組織が定めているかもしれない特別な規則について注意を払 うこと。 ◇メッセージや記事は、簡単で要領を得たものでなければならない。的外れの話題を さまようことなく、脱線することのないようにし、単に他人の誤字脱字を指摘するた めだけのメールや記事を送ったりしてはいけない。これらの行為は、他のどんな行為 よりも明白に自分が未熟な初心者であることを示してしまう。 ◇サブジェクト(題名)の行は、そのグループの規則に従って書かなければならない。 ◇偽造やごまかしは、承認された行為ではない。 ◇広告は、ある種のメーリングリストやニュースグループでは歓迎されるが、その他 のメーリングリストやニュースグループでは嫌悪される!これは、投稿する前に読者 が誰かを知っておく、ということのもう1つの例である。完全に話題から外れた頼ま れてもいない広告を出せば、確実に多数のいやがらせのメールが自分宛に届くことに なる。 ◇あるメッセージについて返事を送ったり投稿する時には、必ず先頭にオリジナルの 要約を書くか、状況を伝えるのにちょうど十分な量のオリジナルの文を引用として含 めること。これで、自分の返事がどこから始まるのかを確実に読者に理解させられる。 特にネットニュースでは、記事があるホストから他のホストに次々と配送されるため、 オリジナルが届く前に返事が先に届いてしまうこともある。状況説明を与えることは、 全員に役立つ。ただし、オリジナルの全文を含めることはしてはいけない! ◇繰り返すが、自分のメッセージに付ける署名を必ず持つこと。これにより、ヘッダ 情報をはぎとってしまうメーラやニュースリーダでも、自分の連絡先の情報は消され ないで確実に残るようになる。 ◇自分がメッセージや記事に返事をする時には慎重に行うこと。しばしば、返事のメ ールや記事は元の記事のあったアドレスに返送されるが、多くの場合それはメーリン グリストかニュースグループのアドレスである!個人的な返事をとてつもなく多くの 人に送りつけ、みんなを当惑させてしまうかもしれない。最も良い方法は〔個人的な 返事を書くときには〕「返事を書く(reply)」機能に頼らずに、宛先アドレスを自分 でタイプすることである。 ◇配達証明、不着時の情報、休暇中自動応答プログラムは、完全に標準化しているも のではなく、インターネットメールに接続されたシステム間を経由する上で完全に信 頼できるものでもない。これらはメーリングリストに送信する時には侵略的だし、配 達証明はプライバシーの侵害であると考えている人もいる。要するに、これらを使っ てはいけないということである。 ◇個人宛のメッセージをメーリングリストやニュースグループに流してしまったこと に気付いたら、相手とそのグループにおわびのメールを送ること。 ◇自分がある1人の人と意見が一致しないことに気付いた時には、メーリングリスト やニュースグループにメッセージを送り続けるのではなく、個別に電子メールで返答 するようにすること。そのグループが何がしかの関心を持つかもしれない点を討論し ているならば、彼らのためにあとで要約をしてあげても良いだろう。 ◇フレーム戦争(感情的論争)に巻き込まれてはいけない。火のつきやすい記事は、 投稿してもいけないし、返答してもいけない。 ◇返答に対して、もはや必要のない返答でしかないメッセージや記事を送ることは避 けること。 ◇等幅フォントや図は慎重に使うこと。これらは他のシステムでは異なって表示され るだろうし、同じシステムでもメーラによって表示が異なる。 ◇さまざまなニュースグループやメーリングリストが、さまざまな趣味や話題を議論 するために用意されている。これらは、生活様式、宗教、文化の多様性を表わしてい る。自分が反対意見を持つグループに対し「あなた方の考えには反対だ」という攻撃 的なメッセージや記事を投稿することは受け入れられない。性的、人種的いやがらせ のメッセージは法的な問題になるかもしれない。攻撃的な項目があるかどうかフィル タして探しだせるソフトウェアも利用できる。 ◇〔日本では、一般にサブジェクトに日本語文字を用いることは歓迎されていないこ とを覚えておくこと。システム環境によっては、サブジェクトの日本語文字が正常に 表示できない場合がある。初めての相手にメールを送る時や、グループに送る場合に は注意すること。英語かローマ字を使うとよい。〕 3.1.2 メーリングリストのガイドライン インターネット上にどんなメーリングリストが存在していて、どう参加したら良いか を知る方法はいくつかある。自分の組織が、メーリングリストへの加入と投稿につい て、どんな方針を定めているかを確実に理解しておくこと。一般に言えることだが、 インターネットで情報を探し始めるよりも先に、まず自分の組織内の情報を調べてみ ることは常に良いことである。インターネット・メーリングリストと参加方法を一覧 にしたファイル群がnews.answersに定期的に投稿されている。これは、各種の話題に 関するメーリングリストを探すための貴重な情報源である。推奨文献一覧の[9,13,15] も参照すること。 ◇参加申請(subscribe)、脱退申請(unsubscribe)のメッセージは適切なアドレス に送るようにすること。いくつかのメーリングリストソフトウェアにはこれらをキャ ッチできるほど賢いものもあるが、すべてが探し出せるわけではない。メーリングリ ストがどのように機能しているかを学び、正しいメールを正しい場所に送るのは利用 者の責任である。非常に多くのメーリングリストが -requestをつけたアドレスで参 加脱退申請を受け付けるように設定してはいるものの、全部がそうしているわけでは ない。参加しようとするメーリングリストで使われている方式を必ず調べておくこと。 ◇自分が参加するすべてのメーリングリストの参加申請メッセージを保存しておくこ と。通常、その中には脱退方法〔と連絡先アドレス〕も書いてある。 ◇一般に、一度自分が送ったメッセージを回収することは不可能である。システム管 理者でも、利用者が送っってしまったメッセージを取り戻すことはできない。これは、 自分の書いたメッセージが本当に送信したいものなのかどうか、自分自身で確認して おかなければならないことを意味する。 ◇多くのメールプログラムが持つ自動返信機能は内輪の通信には役立つが、メーリン グリスト全体に送られた時には悩みの種になる。メーリングリストから届いたメッセ ージに返答する時には、「Reply-To」アドレスを調べること。ほとんどの自動返信機 能ではメーリングリストの全参加者に送信する。 ◇URL (Uniform Resource Locator) やFTP可能なバージョンの入手先を示せば済む場 合には、メーリングリストに大きいファイルを送ってはいけない。ファイルを複合フ ァイル〔分割ファイル〕として送りたい時には、そのグループの慣習に必ず従わなけ ればならない。どんな慣習になっているのか知らない時には、尋ねること。 ◇長期間にわたってメールをチェックできない時には、脱退するか、「nomail」オプ ションの設定をする(それが利用できるとき)ことを考慮すること。 ◇1つのメッセージを複数のメーリングリストに投稿する時、特にそのリストが互い に密接な関係のあるときには、クロスポストすることについて謝罪しておくこと。 ◇質問をしたときには、必ずサマリ(summary; 概要)を投稿すること。その時は、 受け取ったメッセージの束を送るのではなく、正しく要約して送ること。 ◇メーリングリストの中には私的なものもある。これらの招かれていないメーリング リストにメールを送ってはいけない。私的なメーリングリストから届いたメールを、 対象外の人々に広報してはいけない。 ◇自分が論争につかまった場合は、書き手の人格ではなく、書いてある内容に議論を 集中するように保つこと。 3.1.3 ネットニュースのガイドライン ネットニュースは、人々が特定の関心を持つ話題について交流することができる地球 的規模の配信システムである。複数の分類(ヒエラルキー=階層;〔トップグループ〕) に分割されており、主要なものは以下の通りである: sci(科学関連した議論); comp(コンピュータ関連した議論); news(ネットニュース自体に集中した議論の場) ; rec(レクリェーション活動); soc(社会関係); talk(息の長い決して終わらな い議論); biz(ビジネス関連した記事); alt(代替の階層)。 Altの命名は、ある altグループを作ることが、その階層の他の部分でグループを作るのと同じ手続きを 踏んではいないことから名付けられている。そのほか、地域的な階層もあれば、 Bionetのような広く配送される階層もあり、自分の職場にも独自のグループがあるか もしれない。最近、humanities(人間性)階層が追加されたが、今後もさらに追加さ れていくだろう。ニュースについてのもっと長い議論については、推奨文献一覧の [2,8,22,23]を参照すること。 ◇ネットニュース用語の中で、「投稿(Posting)」は、1つの新しい記事を1つの グループに投稿すること、または他の誰かが投稿した記事に返答すること〔フォロー〕 を意味する。「クロスポスト」とは、1つのメッセージを複数のグループに投稿する ことである。自分があるグループにクロスポストを紹介したり、記事のヘッダに 「Followup-To:」を指定するときには、読者に警告すること!読者は、たいていの場 合そのメッセージが特定の1グループに投稿され、フォローはそのグループ内に掲載 されるものだと考えている。ヘッダ情報でこの動作を変更できる。 ◇返答を投稿する前に、進行中の議論のすべて(スレッド(糸)と呼ぶ)に目を通す こと。前の投稿に賛成だということに限定された内容の「Me Too(私も)」メッセー ジを投稿することは避けること。フォローアップ記事は、引用された内容を発展させ たものでなければならない。 ◇ある質問への回答を1人の人だけに与える場合にはメールを送ること。ニュースは 地球規模で配送され、個人的な返答には世界全体がたぶん全く関心を持っていないこ とを覚えておくこと。しかし、何かそのニュースグループの参加者が共通の関心を持 ちそうな記事の場合には、投稿するのをためらってはならない。 ◇記事ヘッダの「Distribution(配送範囲)」部を点検すること。しかし、それに頼 ってはいけない。News配送の複雑な方法のため、Distributionヘッダは、あてになら ないものになっている。しかし、限定された読者が関心を持ちそうな記事を出す場合 には、自分の投稿の配送がそれらの人々に限定されるように、配送範囲指定行を使う こと。たとえば、ニュージャージー州の読者だけに関心のありそうな記事を出すには、 Distributionに「nj」を指定する。 ◇もし、ある記事が複数のニュースグループの関心の範囲にあるものと感じたら、そ れぞれのニュースグループに個別に投稿する〔マルチポスト〕のではなく、必ずクロ スポストにすること。一般に、これを正当化できるほど似通った関心を持つニュース グループの数は、おそらく5~6グループにすぎない。 ◇質問を投稿する前に、文献資料(コンピュータマニュアル、新聞、ヘルプファイル) を使うことを検討すること。答が他の方法で簡単に手に入る質問をニュースグループ に尋ねると、RTFM (read the fine manual;良いマニュアルを読め…fで始まる言葉 には普通はもっと低俗な意味の言葉が当てられるが)という不機嫌な返答が返ってく る。 ◇広告行為を歓迎するニュースグループもあるが、一般には話題に関係ない商品を広 告することは、犯罪以外のなにものでもないこととみなされる。広告をあらゆるニュ ースグループにそれぞれ送ることは、ほとんど確実に自分のインターネットアクセス 権をはく奪されることにつながる。 ◇もし自分の投稿に誤りを発見したなら、できるだけ早くその記事をキャンセルする こと。 ◇自分の書いた記事以外の記事をキャンセルすることは絶対してはいけない。自分の 記事をキャンセルする方法がわからなかったり、チェインレターのようにキャンセル する必要がある記事を見つけた場合は、自分の組織の管理者に連絡をとること。 ◇自分が何かを投稿した後で、即座にそれを見ることができない場合でも、投稿に失 敗したのだと思い込んだり、再投稿したりしてはいけない。 ◇いくつかのグループは、他の状況では疑問を感じる内容の投稿を許して(いくつか のグループでは歓迎して)いる。それでもまだ、自分以外のすべての読者が自分と同 様に適切な投稿だと思ってくれる保証はない。読者を怒らせるのを避けるためには、 ローテートユーティリティ(記事の中の全部の文字をアルファベットの13文字分ずら してくれる)を使うこと。たとえばUNIXの場合、Rot13というユーティリティがある。 ◇映画または本について議論するグループでは、作品の内容を暴露する投稿に「スポ イラー(Spoilers;ネタばらし)」という目印をつけることが必須とされている。サ ブジェクトにSpoilersという語〔内容を暴露しているという注記〕をつけること。内 容が目に触れないように、自分の記事の始めに空白行を入れるとか、ローテート(転 字)させるかしておいても構わない。〔読者の判断で先を読むかどうか選択でき、読 みたい人だけが内容を読めるように工夫すること。〕 ◇ニュース記事を偽造することは、一般に非難される行為である。自分自身を偽造か ら守るためには、アメリカのPGPのような変造を検出する「指紋」を生成するソフト ウェアを使うことができる。 ◇匿名のサーバを経由して投稿することは、あるニュースグループでは許容されるこ ともあるが、その他大多数では嫌われている。個人名を明かして投稿するのが不適当 な内容の記事は、匿名で投稿するときにも不適当なものである。 ◇モデレートされた(検閲を受ける)グループに投稿する時には、いくらか遅れて掲 載されることを了承しておくこと。議長(モデレータ)は、記事のサブジェクト(題 名)を特定のスレッドにふさわしいように変更することもある。 ◇フレーム戦争(感情的論争)に巻き込まれてはいけない。火のつきやすい記事は、 投稿することも、それに返答することもしてはいけない。 ◇〔日本語のニュースグループに投稿する記事は、JIS漢字コードで送信すること。〕 3.2 管理者のガイドライン 3.2.1 一般的問題 ◇ネットニュースへの参加、およびメーリングリストへの参加に関する自分のサイト の方針をすべて明示すること。 ◇ニュスグループとメーリングリストへの投稿に関して、.sig(特定話題グループ) で否定される利用法も含めて、自分のサイトの方針をすべて明示すること。 ◇アーカイブ方針を明示し、広報すること。(記事の保管期間の長さは?) ◇自分の利用者に関する告発は、早急に、そして寛大な心で調査すること。 ◇自分のシステムの健康状態を必ず監視すること。 ◇システムログの保存期間について考え、ログ記録に関する方針を広報すること。 3.2.2 メーリングリスト ◇メーリングリストは「跳ね返りメール」問題を避けるために最新に保つこと。 ◇問題が起きた時には、メーリングリスト責任者を手助けすること。 ◇メーリングリスト責任者にメンテナンス窓口やシステムダウンの予定を知らせるこ と。 ◇メーリングリストの申し込みと管理のための「-request」エイリアスは、必ず持た せるように設定すること。 ◇すべてのメールゲートウェイが円滑に稼働していることを確認すること。 3.2.3 ネットニュース ◇自分が購読しているニュースフィードの性質を広報すること。もし、自分が全部の フィードを購読しているのでない時には、人々はなぜ購読していないのか知りたがる かもしれない。 ◇クライアントのニュースリーダーソフトが多様なため、クライアント側の問題なの にニュースサーバが非難されることがありえることに気をつけること。 ◇利用者から自分の記事のキャンセルや、チェーンレターのような不正な記事のキャ ンセルを求められた時には、直ちに最優先で対応してあげること。 ◇「Usenet」、「Netnews」、「News」という名前をエイリアスしておき、これらに 宛てたメールを誰かが確実に読むようにしておくこと。 3.3 議長(Moderator)のガイドライン 3.3.1 一般的なガイドライン ◇自分のFrequestly Asked Questions(FAQ;よく聞かれる質問と答え)が必ず定期 的に投稿されるようにしておくこと。記事/メッセージについての自分の方針を含め ること。自分がFAQの管理者でない場合には、彼らが確実にそうするようにさせるこ と。 ◇参加申請と脱退申請の方法を明記した、良い歓迎メッセージを必ず用意すること。 ◇ニュースグループは、独自の憲章(チャーター)/ガイドラインを定期的に掲示さ せなければならない。 ◇メーリングリストとニュースグループは最新に保つこと。時宜に応じたメッセージ を投稿すること。自分が休暇の時とか街を離れるときには、代理人を指名すること。 4.0 情報サービス(Gopher, Wais, WWW, ftp, telnet) 最近のインターネット史において、ネットは新しい多様な情報サービスで爆発した。 Gopher, Wais, World Wide Web (WWW), Multi-User Dimensions (MUD), Multi-User Dimensions which are Object Oriented (MOO) はこれらの新しい分野の一片に過ぎ ない。情報検索能力は爆発しているが、「利用者側の危険負担責任」(Caveat Emptor) は不変に残っている。これらのサービスに関するより多くの情報は、推奨文献目録 の文献[14,28]を参照すること。 4.1 利用者のガイドライン 4.1.1 一般的なガイドライン ◇これらのサービスのすべては、他人の所有物であることを覚えておくこと。請求書 に支払いをする人は、利用法を管理する規則を作り始める。情報は無料かもしれない し、有料かもしれない!必ず確認しておくこと。 ◇もし情報サービスの形式にまつわる問題があるときには、まず自分の組織内から問 題解決を始めること:ファイル構成、ソフトウェア設定、ネットワーク接続などを確 認すること。プロバイダ側の問題だとか、プロバイダの欠点だと思う前に、このこと を確認すること。 ◇ファイル形式を表わすために用いられる慣習的なファイル名のつけ方があるが、こ のファイル命名法が適用されていると思い込まないこと。例えば、「.doc」ファイル は、必ずしもワープロのファイルではない。 ◇情報サービスも、www.xyz.com〔「www+ドメイン名」をWWWサーバとする〕のような 命名法を使う。繰り返すが、この命名法を知っていることは役に立つことであるが、 必然的なものとして依存してはいけない。 ◇自分のシステムでのファイル名の働き方を知っておくこと。 ◇セッション接続中には情報提供に用いられる命名規則に注意を払うこと。FTPサイ トでは通常、READMEという名前のファイルを最初のディレクトリに置いて、入手可能 なファイルの情報を知らせている。しかし、これらのファイルが最新の内容であると か、正確なものだと仮定してはいけない。 ◇自分が見つけたどのような情報でも、決してそれが最新のものだとか、正確なもの だと仮定してはいけない。最新のテクノロジーにより誰でも出版できるようにはなっ たが、なかには出版に伴う責任を身につけていない人もいることを覚えておくこと。 ◇自分が現状のセキュリティ(保安)と認証に関するテクノロジーを確信しているの でない限り、あるシステムに送る情報はどれもインターネット上で「白日のもとにさ らされ」ながら転送され、ごまかし屋や偽造者に対して無防備であることを覚えてお くこと。 ◇インターネットは地球を渡り歩くものであるから、情報サービスは自分の属する社 会とは著しく異なった文化や生活様式を反映するかもしれないことを覚えておくこと。 自分にとって不快な文書を見つけたとしても、実はそれが許容されている地域から発 信されたものかもしれない。常に寛大な心を保つこと。 ◇人気があるサーバーの情報が欲しいとき、ミラーサーバーの一覧が提供されていれ ば、必ず近くのミラーサーバーを利用すること。 ◇自分が他の人々に拾ってもらいたい書類を預けるために他人のFTPサイトを利用し てはいけない。これは「ダンピング(dumping)」と名づけられた行為で、一般に受け 入れられる行為ではない。 ◇あるサイトとの通信に障害が起きて、助けを求める場合には、プログラムの解析を 支援するために、出来る限り多くの情報を必ず提供すること。 ◇ホームページのような、自分自身の情報サービスを立ち上げるときには、所属組織 のシステム管理者に、自分の組織ではどんなガイドラインがあるのかを必ず確認して おくこと。 ◇人気があるサイトのシステムの負担を分散するために、混雑する時間帯を避け、空 いている時刻にログインすることを考えに入れること。 4.1.2 リアル・タイム対話サービス(MUD MOO IRC)のガイドライン ◇他の環境と同様に、はじめは「聞くこと」に徹して、そのグループの文化を知って おくのは賢いやり方である。 ◇チャンネルやルームに参加している全員に個別に挨拶をする必要はない。たいてい は、単なる「Hello」とか、そんなもので十分である。クライアントの自動機能を使 って人々に挨拶をするのは、受け入れられない行為である。 ◇大量の情報を送りたいときには、あらかじめ参加者たちに警告すること。全員がそ れを受け取ることに同意したなら、それを送ってもかまわない。しかし、頼まれても いない情報を警告なしに送りつけることは、メールの場合と同様に悪いやり方とされ ている。 ◇自分の知らない人が自分と会話をしたがっていると思ってはいけない。自分の知ら ない人から個人宛メッセージ〔電子メール〕を送るよう強制されたと感じた時は、相 手が忙しいこと、または単に自分と話をしたくなかったのかもしれないという事実を おとなしく受け入れるよう心がけること。 ◇そのグループのガイドラインを尊重すること。そのグループの入門手引きを探して みること。関連したFTPサイトにあるかもしれない。 ◇性別、年齢、居住地のような個人の情報を教えるよう他のユーザに求めてはいけな い。自分がもう一人のユーザと知り合いになった後には、これらの疑問はもっと適切 なものになるかもしれないが、多くの人は親しくない人にこれらの情報を与えること をためらうものである。 ◇あるユーザがニックネームや偽名を使っている時には、名前を隠したいという本人 の希望を尊重すること。たとえ自分とその人が親しい友人であっても、彼のニックネ ームを使う方がもっと礼儀正しいことである。本人の許可なくその人の本名をオンラ インで使ってはいけない。 4.2 管理者のガイドライン 4.2.1 一般的なガイドライン ◇複製しても良いものがどれで、複製してはいけないものがどれかを明示すること。 ◇自分のサイトと自分の組織で何が利用できるのかを記述すること。すべての一般的 方針を必ず明示すること。 ◇情報(特にREADME)を最新に保つこと。READMEはplain asciiテキストで提供する こと。 ◇自分のサイトのミラーサイトについて、把握している限りの一覧を提示すること。 ミラーサイトが適用できる著作権表示を確実に含めておくこと。可能なら、それらの 更新予定も一覧にすること。 ◇人気がある(しかも大きい)情報には、それを支えられるだけのバンド幅(回線容 量)を確実に持たせておくこと。 ◇ファイル拡張子の命名法を使うこと。asciiテキストには.txt、HTML文書には.html か.htm、Postscriptには.ps、Portable Document Formatには.pdf、SGMLには.sgmlか .sgm、非UNIX系実行ファイルには.exeなどである。 ◇転送されるファイルには、できるだけ最初の8文字だけで一意性のあるファイル名 をつけること。 ◇情報を提供しているときは、必ず何か自分のサイト独自の情報を提供すること。単 にインターネット上の他のサービスの場所を示すだけの情報サービスを上げることは 避けること。 ◇断わりなく、他のサイトへのポインタを設けてはいけない。 ◇情報サービスをセットアップするということは、単にデザイン(設計)してインプ リメンテーション(構築)を行うこと以上のものであることを覚えておくこと。メン テナンス(管理営繕)もしなくてはならない。 ◇自分が掲示する書類は、確実に提供組織にふさわしいものであるようにしておくこ と。 ◇アプリケーションをいろいろなツールでテストすること。たった一台のクライアン トでテストしたからといって、全部がうまく動くと思ってはいけない。また、クライ アント群には最も低級なテクノロジーを仮定し、グラフィカルユーザインターフェー スでしか使えないようなアプリケーションを作ってはいけない。 ◇自分の情報について一貫した展望を持つこと。自分のアプリケーション間でルック &フィールが確実に同一に保たれるようにすること。 ◇自分の情報の長命さに敏感になること。時間に敏感な題材には必ず日付をつけ、こ の情報が良く維持され続けるように絶えず警戒を怠らないようにすること。 ◇輸出制限は、国によって異なる。投稿するときには、輸出制限との関連性を必ず理 解しておくこと。 ◇WWWフィードバックのような方法で情報を求める場合、集めた情報をもとして何を しようとしているのかをユーザに知らせること。かれらの発言を公表しようとしてい る時には、たとえ受動的に他のユーザが利用できるようにするだけにしても、あらか じめ人々に警告しておく必要がある。 ◇ホームページのような、ユーザの情報サービスに関する自分の方針が確実に周知さ れるようにすること。 5.0 推奨文献目録 この文献目録は、一般の資料と同様に上記の各章の情報の大部分を集めるために使わ れたものである。これらの業績の中からは特に見つけられなかった項目については、 インターネット技術特別調査委員会ネットワーク責任利用作業部会の経験から集めら れた。 [1] 「電子メール様式の要素」 Angell, D., and B. Heslop, "The Elements of E-mail Style", New York: Addison-Wesley, 1994. [2] 「ユースネット関係のFAQへの回答」 "Answers to Frequently Asked Questions about Usenet" Original author: jerry@eagle.UUCP (Jerry Schwarz) Maintained by: netannounce@deshaw.com (Mark Moraes) Archive-name: usenet-faq/part1 [3] 「インターネットでのふるまいと利用法のガイドライン」 Cerf, V., "Guidelines for Conduct on and Use of Internet", at: [4] 「新規利用者のためのインターネットの手引き」 Dern, D., "The Internet Guide for New Users", New York: McGraw-Hill, 1994. [5] 「エミリー・ポストニュースがあなたのネチケットの質問に答えます」 "Emily Postnews Answers Your Questions on Netiquette" Original author: brad@looking.on.ca (Brad Templeton) Maintained by: netannounce@deshaw.com (Mark Moraes) Archive-name: emily-postnews/part1 [6] 「みんなのためのインターネットの手引き」 Gaffin, A., "Everybody's Guide to the Internet", Cambridge, Mass., MIT Press, 1994. [7] 「インターネットの責任ある利用のためのガイドライン」 "Guidelines for Responsible Use of the Internet" from the US house of Representatives gopher, at: [8] 「(FAQ)正しい投稿場所の探し方」 How to find the right place to post (FAQ) by buglady@bronze.lcs.mit.edu (Aliza R. Panitz) Archive-name: finding-groups/general [9] 「馬と納屋の扉:インターネット利用の組織ガイドラインの発展」 Hambridge, S., and J. Sedayao, "Horses and Barn Doors: Evolution of Corporate Guidelines for Internet Usage", LISA VII, Usenix, November 1-5, 1993, pp. 9-16. [10] 「インターネット即席ガイド:手のひらの地球的ネットワーク」 Heslop, B., and D. Angell, "The Instant Internet guide : Hands-on Global Networking", Reading, Mass., Addison-Wesley, 1994. [11] 「インターネットエチケットの助言集」 Horwitz, S., "Internet Etiquette Tips", [12] 「倫理とインターネット」RFC1087 Internet Activities Board, "Ethics and the Internet", RFC 1087, IAB, January 1989. [13] 「禅とインターネットの芸術:初心者の手引き」 Kehoe, B., "Zen and the Art of the Internet: A Beginner's Guide", ネチケット情報は各章に分散している。第3版。 3rd ed. Englewood Cliffs, NJ., Prentice-Hall,1994. 邦訳:キーホー、B.P. (1993) 『初心者のためのインターネット』西田竹志 訳、トッパン。〔ただし第2版〕 [14] 「インターネットパスポート:ノースウェストネットの世界的オンラインの 手引き」 Kochmer, J., "Internet Passport: NorthWestNet's Guide to our World Online", 4th ed. Bellevue, Wash., NorthWestNet, Northwest Academic Computing Consortium, 1993. [15] 「インターネットの全容:利用者の手引きとカタログ」 Krol, Ed, "The Whole Internet: User's Guide and Catalog", Sebastopol, CA, O'Reilly & Associates, 1992. 邦訳:エド・クロル著『インターネットユーザーズガイド-改訂版-』村井 純監訳、オーム社(1995)。 [16] 「情報専門家のためのインターネット入門:インターネットネットワーク技 術の基本ガイド」 Lane, E. and C. Summerhill, "Internet Primer for Information Professionals: a basic guide to Internet networking technology", Westport, CT, Meckler, 1993. [17] 「インターネットの友」 LaQuey, T., and J. Ryer, "The Internet Companion", Chapter 3 "Communicating with People", pp 41-74. Reading, MA, Addison-Wesley, 1993. 邦訳:ラクウェイ、T. & J.C. ライアー (1993) 『Internetビギナーズガイ ド』鈴木摂訳、トッパン。 [18] 「ワイルドなインターネットのサーフィン」 Mandel, T., "Surfing the Wild Internet", SRI International Business Intelligence Program, Scan No. 2109. March, 1993. [19] 「ネットワークに黄金あり!あるいは全部の間違った場所で宝を探すこと」 Martin, J., "There's Gold in them thar Networks! or Searching for Treasure in all the Wrong Places", FYI 10, RFC 1402, January 1993. [20] 「IRCの短い入門」 Pioch, N., "A Short IRC Primer", Text conversion by Owe Rasmussen. Edition 1.1b, February 28, 1993. [21] 「ネットサーフィン:ある入門」 Polly, J., "Surfing the Internet: an Introduction", Version 2.0.3. Revised May 15, 1993. [22] 「ユースネット共同体との付き合い方入門」 "A Primer on How to Work With the Usenet Community" Original author: chuq@apple.com (Chuq Von Rospach) Maintained by: netannounce@deshaw.com (Mark Moraes) Archive-name: usenet-primer/part1 [23] 「ザ・ネット:利用者の指針とネチケット」 Rinaldi, A., "The Net: User Guidelines and Netiquette", September 3, 1992. 日本語版URL [24] 「ユースネット投稿のルール」 "Rules for posting to Usenet" Original author: spaf@cs.purdue.edu (Gene Spafford) Maintained by: netannounce@deshaw.com (Mark Moraes) Archive-name: posting-rules/part1 [25] 「ネチケット」 Shea, V., "Netiquette", San Francisco: Albion Books, 1994?. [26] 「インターネットにおけるアドバイスのしかた」 Strangelove, M., with A. Bosley, "How to Advertise on the Internet", ISSN 1201-0758. [27] 「インターネットの基礎」 Tenant, R., "Internet Basics", ERIC Clearinghouse of Information Resources, EDO-IR-92-7. September, 1992. [28] 「みんなのためのインターネット:ユーザとプロバイダの手引き」 Wiggins, R., "The Internet for everyone: a guide for users and providers", New York, McGraw-Hill, 1995. 6.0 セキュリティ(保安)の考慮 セキュリティ(保安)の問題は、このメモの中では論議されていない。 7.0 著者のアドレス Sally Hambridge (サリー・ハンブリッジ) Intel Corporation(インテル社) 2880 Northwestern Parkway SC3-15 Santa Clara, CA 95052(カリフォルニア州サンタクララ) Phone: 408-765-2931 Fax: 408-765-3679 EMail: sallyh@ludwig.sc.intel.com 8.0 日本語版について 8.1 注意事項 ※このRFC1855の日本語訳は訳者が個人の責任で翻訳したものである。文中〔〕【】 の部分は訳者が補った注記である。 ※翻訳にあたってはできるだけ原文に忠実に翻訳した。そのままでは日本の状況に対 応できない部分があるかもしれないのでご注意願いたい。 ※この日本語版の配布は制限しない。日本語原版について修正などのご要望がある場 合は、訳者までご連絡願いたい。 ※各組織または個人が独自のガイドラインを定めるためにこの文書の全部または一部 を使用することを歓迎する。もちろんその場合は適宜改変を加えても構わない。 8.2 日本語版の原本 日本語版原本の所在は下記のURLである。 ※日本語版(ですます調) WWW: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855j.txt FTP: ftp://ftp.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855j.txt ※日本語版(である調) WWW: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855ja.txt FTP: ftp://ftp.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855ja.txt (ファイル名が8文字を超えているので注意すること) ※HTML版 WWW: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855j.html FTP: ftp://ftp.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855j.html ネチケット・ホームページ[http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/] もご参照いただきたい。 8.3 日本語訳者 高橋邦夫 Kunio Takahashi 東金女子高等学校 Togane Girls' High School 〒283 千葉県東金市田間1999 1999 Tama, Togane, Chiba 283, Japan. 電話 0475-52-1161 Phone: +81-475-52-1161 EMail: ktaka@togane-ghs.togane.chiba.jp 8.4 更新履歴 1996. 2. 2 Ver.1.0 日本語版初版発行(fj.archives.documents etc.) 1996. 3. 1 Ver.1.01 バグ改良、邦訳書誌情報追加 1996. 3.22 Ver.1.02 書誌情報訂正 -----RFC1855日本語版最終行(rfc1855ja.txt 1996.3.22 Ver.1.02)-----